2007年12月02日

本山&小笠原で名門の新時代(日刊スポーツ)

 鹿島の「黄金世代」が光り輝いた。前半20分、今季途中にセリエAから復帰したMF小笠原満男(28)がPKで先制。後半3分には、MF本山雅志(28)が強烈なミドルシュートで追加点を奪った。98年同期入団の2人がともにフル出場し、名門復活の力となった。

 熱い涙が、ほおを伝った。本山は歓喜の輪を1人離れ、ゴール裏観客席の前に立った。歓声と拍手を全身で浴びると、栄光の背番号「10」が刻まれたユニホームを誇らしげに引っ張ってみせた。「やっと、自分の背番号に(通算Jタイトル数の)星が追いつきました」。重責を果たした喜びと安堵(あんど)感が、忘れかけていた笑みとなってあふれ出た。

 「10冠」。誰よりも使命を感じていた2人の男が、プレーに思いを込めた。序盤の劣勢に耐え、迎えた前半20分。マルキーニョスが獲得したPKを「オレが蹴る」と左腕にキャプテンマークを巻いた小笠原が名乗り出た。「自分が入団したころは優勝が当たり前だった。それが次第に取れなくなって、悔しい思いをしてましたから」。6月、海外挑戦を志半ばで断念し、セリエAのメッシーナから古巣に戻った理由はただ1つ。プロ10年目のすべてを右足に込めて、ゴール左隅へ蹴り込んだ。

 後半開始早々の3分には、左CKから相手DFのクリアしたこぼれ球を、本山が狙った。バウンドするボールの上がりどころをめがけて、右足を一閃(いっせん)。「1−0では危ない。追加点がほしかった」とGKの手前で鋭くゴール左隅へカーブするミドルシュートで、追加点を奪った。思い起こせば入団当初、2度のW杯出場とともに06年での現役引退を考えていた。だが、夢は幻に終わり、待っていたのは「無冠の試練」。重圧に苦しみ、責任を感じた。「オレにはまだ、やり残したことがある」。ジーコやレオナルドが背負ったエースナンバーの返上も頭にチラつきながら迎えた今シーズン。プロ初のリーグ戦全試合出場を果たしたとき、ひと皮むけた自分がいた。

 「第2次黄金期」を期待された98年入団組。奇跡を起こしたピッチで、2人は固く握手を交わし、互いの胸を重ねた。重い扉は開き、次なる戦いが始まる。「11冠目」がかかる今年度の天皇杯、そして来季はいよいよアジア制覇に挑む。「自分が、チームを引っ張る立場になった。また、常勝と言われるように勝ち続けたい」という小笠原。名門の新時代が、始まりを告げた。

http://www.nikkansports.com/soccer/p-sc-tp0-20071202-290353.html
posted by 偏 at 21:40| NEWS